ベルト・モリゾの肖像

「ベルト・モリゾの肖像」 1872年 オルセー美術館蔵
この作品に描かれるのは、マネの良き友人で師弟関係だった印象派の女流画家ベルト・モリゾ。
マネ独特の大ぶりな筆触や平面的な画面展開、抑えられた落ち着きのある色彩などが特徴です。
ベルト・モリゾがルーヴル美術館で模写をおこなっていた時に、画家の友人アンリ・ファンタン=ラトゥールから同氏を紹介されて以来、マネとベルト・モリゾは親密な交友関係を持つようになりました。
前回紹介した『バルコニー』を始め、マネは何度もベルト・モリゾをモデルに作品を手がけています。
この作品は、マネが1872年にベルト・モリゾの肖像を描いた4点の作品の中の1点。
観る者と対峙し、こちらを見つめるベルト・モリゾの魅力的な表情の描写は見事です。
衣服と帽子の黒色は画面の中で圧倒的な存在感を示し、この黒色と背景に用いられた灰色が画面の大部分を占めることによって他の色味が引き立っています。
肌の色や茶色い髪の毛、すみれのブーケの控えめな青色。
それらがより洗練された印象を与えてくれます。